離婚届の証人とは?いない場合はどうする?|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ


離婚届の証人とは?いない場合はどうする?


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚届には証人欄が設けられています。離婚における証人とは何か?なぜ証人が必要なのか?いない場合どうすればいいのか?などについてまとめてみました。ご参考にされてください。



🌸離婚届に証人はなぜ必要?

離婚届には証人欄があり、証人2名の署名・捺印が必要となっています。(民法第764条)


これは虚偽の離婚届の提出を防ぐことが目的です。


離婚届は夫婦の双方の署名が必要ですが、提出自体は一人でも可能です。

このため離婚の成立が難航しているケースなどでは、合意がないままに提出が行われてしまうことも考えられます。

そのため証人欄を設けることで歯止めをかけているのです。


もし虚偽の離婚届の提出を行った場合には、有印私文書偽造罪(刑法159条1項)、偽造私文書行使罪(刑法161条1項)、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)に問われるリスクがありますので、相手の同意なく提出することは絶対に避けるべきです。



🌸証人になれる条件や法的責任は?

離婚の証人は18歳以上であれば誰でもなれます。

親兄弟などの親族は勿論、夫婦の子どもでも構いません。

友人、知人でも良いですし、特に制限なく誰でもなることができます。


夫側、妻側から1名ずつということではありませんので、例えば夫の親族2名でも大丈夫です。


また、離婚届の証人には法的な責任などは存在しません。

後日問題となるようなことはありませんので、依頼する際にはその旨ご説明ください。


しかし婚姻届の証人と違い、マイナスイメージがありますので、相手の心情に配慮して丁寧に依頼する必要があるでしょう。



🌸証人が必要ないケースは?

離婚には、「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つの種類があります。

協議離婚は当事者の話し合いによって離婚することであり、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所で調停委員を介して話し合い離婚を成立させる調停離婚に進みます。

そして調停が不調となった場合には、家庭裁判所を介して裁判官に離婚を決定してもらう裁判離婚となるのです。


このうち離婚届に証人が必要なのは、協議離婚のみです。

調停離婚または裁判離婚により離婚が決定した場合は、離婚届に「調停調書」または「確定判決」を添付して提出することになります。


🌸証人以外で決めておくべきことは?


離婚届を提出する際にどうしても決めておかなくてはならないのは親権者です。


離婚届には、親権者を記載する欄が設けられていますので、未成年の子どもがいるケースでは、父母のどちらか一方を親権者に決定しなければ、離婚することができません。


もし双方の話し合いで親権者が決定できない場合は、調停を申し立てて家庭裁判所で協議をし、それが不調となれば裁判で裁判官が親権者を決定します。


またこの他には、養育費、財産分与、慰謝料などの各項目についても決めておくべきでしょう。


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🌸証人が見つからない場合はどうしたらいい?


近年、離婚届の証人代行サービスを行っている業者も存在していますので、一定の費用はかかりますが
、どうしても見つからない場合にはネットなどで検索し検討してみるのも良いでしょう。


また、状況によっては弁護士が証人となれるケースもありますので、ご相談ください。


弁護士に依頼する場合は、養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件の交渉や離婚協議書・公正証書の作成も視野に入れて相談されると、後々のトラブルも回避できて安心です。


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🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士に相談を

離婚届の証人についてと、証人がいない場合の対処についてご説明しました。


離婚する際には様々な決定すべき項目があり、しっかり検討を行った上で離婚手続きをしないと、後々後悔するケースが多くあります。


もし不安がある場合には、一度弁護士などの専門家への相談をお薦めします。