離婚を避けるヒント!性格の不一致ではなく男女の違い?|西宮尼崎芦屋の弁護士ブログ

 


離婚を避けるヒント!性格の不一致ではなく男女の違い?


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚原因で最も多いのが「性格の不一致」と言われています。しかしこの中には、そもそも異なる「男女の違い」が十分に理解されていないことが含まれているのではないかと考えられます。まとめてみましたのでご参考にされてください。


🌸離婚原因で最も多いのは性格の不一致


離婚原因で最も多いのは「性格の不一致」と言われています。


確かに毎年最高裁判所で開示されている離婚に関する原因別データ「婚姻関係事件数申立ての動機別申立人別全家庭裁判所」を見ても、どの年も「性格の不一致」が最も多くなっています。


このデータでは、金銭関係、モラハラ、DV、異性関係なども上位となっていますが、常に1位は「性格の不一致」なのです。


アンケート形式の回答の集計となっていますので、他の理由に分類されないものがこの項目に集中している可能性もあり一概には言えませんが、はっきりとした理由がないのに離婚に至るケースが多くあるのは事実です。


何となく上手くいかない、価値観が合わない、毎日の生活が苦痛だ、など様々な声が多くありますが、これらは本当に性格が合わないことだけが原因なのでしょうか?



🌸夫婦はそもそも上手くいかないもの?

「夫婦はそもそも上手くいかないもの」とも言われています。


何を言ってるの?上手くいくと思うから結婚するのでしょう!?とお怒りになる方もいらっしゃるでしょう。

お気持ちはよくわかります。


しかしながら、夫婦=男女が同居して共同生活を送ることと、恋愛時代のおつきあいとは全くの別物であり、けっして混同してはいけないものなのです。


つまり、恋愛時代にはものすごく相性が良く、喧嘩もせずに長い間仲良く付き合っていたとしても、結婚するとその関係にひびが入ったりするのはいわば当たり前のことなのです。


恋愛期間中には喧嘩なんてしたことなかったのに、結婚したら毎日ぶつかってばかり、というような話はよく聞きます。

結婚して相手は豹変してしまった、こんなことなら結婚なんてするんじゃなかった!と嘆く方も多いことでしょう。


しかし、ここには一定の誤解と理解不足があります。

そもそも、男女は根本的に考え方に大きな相違点があり、特性が違っているのです。



🌸男脳と女脳の違い?

人間には動物的感性の「右脳」と論理的思考の「左脳」があります。


右脳派は、感性が鋭い芸術家タイプなどとも言われます。

一方で、左脳派は論理的思考を重視する合理的なタイプです。


さて、右脳と左脳の二つを結ぶ神経細胞が「脳梁」を言われるものですが、女性は男性より脳梁が大きいと言われており、男性に比し右脳と左脳の連動性が優れているという説があります。


このため、男性は左脳で論理的な思考をしている時には、右脳の感情的な要素はあまり使いませんが、女性の場合は論理的な思考の中にも感情が顔を出すので、これが一般的に男性は「論理的」、女性は「感情的」と言われる所以だというのです。


一方近年、この「男性と女性の脳に構造的な違いがあるのは間違い」という有力な説も出てきており、どちらが正しいのかは判然としません。


しかし、私が実際に多数のご相談をお受けしている中で強く感じるのは、男女の思考には明らかな違いが存在し、それを相手の個性と誤認することで「性格の不一致」による離婚が誘発されてるのではないかということです。


特に勘違いをされている方がとても多いと感じるのは、「結論だけを求める夫と聞いて欲しいだけの妻」という問題です。


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🌸結論だけを求める夫と聞いて欲しいだけの妻

「結論だけを求める夫と聞いて欲しいだけの妻」という言葉があります。

家庭内のすれ違いを的確に表した、まさに言い得て妙の表現です。


悩みを抱えた時、男性は一人で論理的に考え、最適な結論を最短で出そうとしますが、女性は相談をすることにより共感を得ることを重視するのです。


話し合うことにより共感を得たいと願っている妻が、結論だけを求める夫に対し、「全然話を聞いてくれず相手にしてくれない!」と怒るのはいわば当然ですし、夫はいつも最終の結論だけを求めているのですから、妻の愚痴ともつかないような延々の長話についていけるはずもありません。


これは「男女の違いによるすれ違い」なのですが、相手の性格の問題と誤認してしまっていることは大いに考えられます


それが証拠に、女性の相談者の方がおっしゃることで共通するのは「夫が全然話を聞いてくれない」という悩みであり、男性の相談者の方は逆に「結論が出ない話を延々と聞かされる」と言う方がとても多いのです。


また、例えば女性はアドバイスされることを喜び素直に受け入れる傾向がありますが、男性は指示されたり命令されたりすることを極端に嫌います。


妻がちょっとしたことを夫に依頼するだけで、その場の雰囲気が急に険悪になったりするのはこのためです。


これらは相手の性格や個性ではなく男女の特性であると考えられます


このことを理解し、言い方を考えるだけですれ違いやトラブルは激減するでしょう。


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🌸まとめ:男女の違いを理解して円満な関係を!


結婚前と後では、相手に相談する内容も相談したりお願いしたりする回数も大きく違ってきます。

夫婦は、日常生活の中でさまざまな問題に対処するために、大きなことも小さなことも話し合わなくてはなりません。


その中で男女の違いを理解して、もともと相いれない部分があることを心に留めながら生活していくことはとても大切なことです。


男女の共同生活は簡単ではなく、上手くいかないのは当たり前なのですから。


それでも思いやりや愛情で信頼関係を作り、同じ目的に向かって進んで行くのが正しい夫婦関係だと言えます。


「夫婦はうまくいってあたり前」などというとんでもない誤解が問題を引き起こしているケースは、想像以上に多いのです。


まずは、「夫婦とはそもそも上手くいかないもの」という大前提を理解し、周囲の出来事を冷静かつ客観的に観察するようにしましょう。

きっと、いろんなことが見えてくると思います。


最後にクライアントの方に教わった「劇的に夫婦関係が改善する方法」をお伝えしておきます。


それは「毎月一つだけお互いに、直して欲しいことを言い合う」というもの。


「ごはんの前にはいただきますと言う」とか、「帰ってきたら靴を揃える」とか、普通の小さなことで良いんだそうです。


何でも良いから気になることをお互いに一つだけ指摘し合うことにするだけで、夫婦仲が劇的に改善して気持ちよく生活できるようになったのだそうです。


すれ違いの予防策としてお試しくださいね。