離婚申立てはなぜ女性が圧倒的に多いのか|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ


離婚申立てはなぜ女性が圧倒的に多いのか


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。最高裁判所が毎年開示しているでは離婚の原因別データによれば、女性の申立ては男性の2.67倍と圧倒的に多くなっています。一体なぜなのでしょうか?原因についてまとめてみました。



目次

🌸離婚申立ては女性の方が圧倒的に多くなっています

🌸女性の離婚原因トップ10

🌸増え続ける熟年離婚も原因?

🌸まとめ:離婚したいと思ったらまず弁護士にご相談ください


🌸離婚申立ては女性の方が圧倒的に多くなっています

最高裁判所では毎年離婚に関する原因別データを開示しています。

これは「婚姻関係事件数申立ての動機別申立人別全家庭裁判所」というデータで、申立人が離婚の動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計しています。

※出典:「婚姻関係事件数申立ての動機別申立人別全家庭裁判所」

https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/274/011274.pdf

(注)申立ての動機は,申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計。


令和元年では男性16,502件、女性44,040件と、女性の申立ては男性の2.67倍となっており、10年前の平成21年を見てもこの比率はほぼ変わりません。

常に女性の申立てが圧倒的に多くなっているのです。

これは一体どういう理由によるものなのでしょうか?



🌸女性の離婚原因トップ10

令和元年の女性の離婚原因の1位~10位は以下の通りです。

【令和元年離婚原因別ランキング女性】

1位「性格の不一致」17,242件

2位「生活費を渡さない」12,943件

3位「精神的に虐待する」11,094件

4位「暴力を振るう」9,039件」

5位「異性関係」6,800件

6位「浪費する」4,298件

7位「家庭を捨てて省みない」3,194件

8位「性的不調和」2,893件

9位「家族の親族と折り合いが悪い」2,850件

10位「酒を飲み過ぎる」2,774件


女性の離婚申立ての原因の上位は、「性格の不一致」を除くと、「金銭問題」「モラハラ、DV」「異性関係」となります。

まず、これらが発生する原因が、男性より女性に多くあることが考えられます。

女性の社会進出が進み、出産後も仕事を続ける方が増えているとは言え、まだ、子育てなどでフルタイムの仕事ができづらい環境があるのは事実です。

金銭問題が離婚原因となることが男性に比し圧倒的に多いのは、男性が家計を支えている現状を表していると言えるでしょう。

また、モラハラ、DVも男女の特性により男性側に多く、異性関係の問題も社会に出て異性との接点が多い男性に機会が多いのではないかと思われます。

つまり、そもそも男性の方が離婚原因を作りやすい環境にいるのではないでしょうか。

しかしそれだけではありません。

増え続けている「熟年離婚」は、不満がたまり続けた妻側の強烈な反撃とも言えるのです。


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🌸増え続ける熟年離婚も原因?


厚生労働省が発表している「人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、同居期間20年以上の「熟年離婚」は、1985年は2万434件でしたが、2020年には3万8980件と35年で2倍近くになっています。

また、40代以降の離婚件数も年々増加傾向にあります。

2020年に離婚した19万組のうち、熟年離婚に該当したのは約20%でした。

そしてこれからも、熟年離婚はますます増加することでしょう。

熟年離婚が増えている背景には、世の中の風潮の変化も影響しているのではないかと思われます。

かつて夫婦は、我慢に我慢を重ねて一生添い遂げることが当たり前の時代がありました。

しかし現代はすでに「我慢しない時代」に入っているのではないかと考えられます。

子供も巣立ち老後となった時、働きもせず家にいる愛情のない夫の面倒を見たり、介護に明け暮れたりして、残りの人生を無駄に過ごすことが当たり前ではないことに気づいた妻たちが、反撃の離婚を選択しているのではないしょうか。

熟年離婚が増えれば増えるほど、自分の将来に疑問を感じている妻の心は離婚に傾いていきます。

逆に申し上げれば、夫側は真剣に危機感を持って、この対策に乗り出す必要があります。

何もしなければ、妻から愛想をつかされて捨てられることになっても全然おかしくはないのです。

老後の一人暮らしは、家事全般に不自由のない女性は自由を感じ、男性は虚しさが募るというケースが多いようです。


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🌸まとめ:離婚したいと思ったらまず弁護士にご相談ください

女性が離婚を考えるケースは確実に増えています。

しかし現実には様々な問題があります。

最も大きな問題は経済的に自立できるのか、ということですし、相手が離婚を承諾しない場合には協議離婚は成立しませんので、調停や裁判といった手段を取らなくてはならない場合もあります。

現状を詳細に確認することで、弁護士から的確なアドバイスを得られるケースが多くありますので、まずはお気軽に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。