離婚時の子どもとの面会交流ルールの決め方|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ


離婚時の子どもとの面会交流ルールの決め方
離婚時に話し合うべきポイントとは


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚後のトラブルで多いものの一つが、面会交流(親権者でない側が子供と面会すること)です。どのようにしたらトラブルを避けて円滑な面会交流が行えるのでしょうか?ポイントをまとめてみました。


目次

🌸面会交流権とは?

🌸決めるべき面会交流のルールは?

🌸面会交流の話し合いがまとまらない場合は?

🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士にお問い合わせを



🌸面会交流権とは?

面会交流権とは、非監護親(子どもと同居しない親)と子どもが相互に面会し、交流する機会を得る権利を指します。

離婚後も両方の親から愛情を受けられるようにすることは、子どもの成長にとても大切なことです。

そのため民法上も(民法第766条第1項)非監護親・子どもの双方に面会交流権が認められているのです。

しかし、子供は監護親(子どもと同居している親)と一緒に暮らしていますので、面会交流のルールを決めておかないと、日常の生活が崩れてしまい、かえって子供の成育に悪影響を与えることも懸念されます。


そこで、離婚する際には夫婦が話し合って面会交流のルールをしっかり決めておき、双方納得の上でそのルールに従って面会交流を行うことが推奨されているのです。

ルールを決めるにあたっては、子どもの利益を最優先するよう民法の中(民法第766条第1項第2文)でも規定されています。

そのため、親の都合だけでルールを決めるのではなく、決めたルールで子どもが嫌な思いをしないかなどに十分配慮しなければなりません。

例えば、子どもがある程度の年齢に達しているのであれば、子どもの意見も十分聞きながら面会交流のルール決めを行う必要があります。



🌸決めるべき面会交流のルールは?

決めるべきルールの項目は以下の通りです。


1.面会交流の頻度と時間(宿泊の可否なども)

会う頻度や1回当たりの時間などを、それぞれの親の状況や子どもの年齢などに応じて決めておきます。

たとえば、子どもが小学校低学年など小さいうちは数時間、それ以降は半日や1日単位で面会交流を行う例が多いようです。

突発的な事情でキャンセルする場合もありますので、「翌週に振り替え」など、その場合の対処もルール化しておいた方がベターです。


2.面会交流場所の制限

監護親の養育方針に反して、非監護親が子どもを特定の場所に連れて行ってしまうことは望ましくありません。

そのため、面会交流のルールを作る際、監護親の意向で面会交流場所を一定の範囲に制限することがあります。

遠出する場所の範囲を決めたり、ゲームセンターは行かないなど、具体的に行ってはいけない場所を指定することなどが考えられます。


3.子どもの受け渡し方法

面会交流を行う際に、子どもが非監護親のもとへ向かう方法を決めておきます。

送り迎えをする場合の受け渡しの方法や、子どもが自分で集合場所に向かうなど、おおまかにルール化しておくほうがスムーズです。

また、面会交流を行う際に一定の距離がある場合などは、どちらが交通費の負担についても決めておいた方が良いでしょう。


4.小遣いやプレゼント

非監護親はたまにしか会えませんので、なるべく小遣いやプレゼントを渡したいものだと思います。

しかし監護親にとっては、非監護親の度を越した行為は、子どもの教育という意味でマイナスでしかありません。

そのため、面会交流の際に子どもに与えて良いお小遣いやプレゼントなどについて、あらかじめルールを決めておくことをおすすめします。


5.特別な行事など

運動会、クラブ活動の試合、入学、卒業など、特別な行事には、通常の面会交流とは別に非監護親も参加を希望する場合がありますので、このようなケースについても、あらかじめルールを定めておいたほうが良いでしょう。


6.メール、LINE、電話などのルール

離婚後も非監護親と子どもの間では、メール、LINE、電話などで容易に連絡が取れます。

しかし過度になりすぎると監護親が疑心暗鬼となり、親同士のトラブルにつながる場合も想定されます。

もしそのような心配がある場合には、このような連絡に関するルールも、離婚時に決めておく方が良いでしょう。


7.面会交流のルールに違反した場合の対処

このようにルールを定めたとしても、守られなければ意味はありません。

そのため、ルール違反をした場合のペナルティーについても決めておいた方が良いでしょう。

例えば、ルール違反があった場合は、面会交流を一定期間中止するなどの取り扱いが考えられます。


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🌸面会交流の話し合いがまとまらない場合は?

話し合いがまとまらない場合や話し合いができない場合には、家庭裁判所に調停又は審判の申立てをして、面会交流に関する取り決めを求めることが可能です。

この手続は、離婚前であっても、両親が別居中で子どもとの面会交流についての話し合いがまとまらない場合にも利用することができます。

調停手続では、子どもに精神的な負担をかけることのないように十分配慮して、子どもの意向を尊重した取決めができるように話合いが進められますが、話し合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、裁判官が、一切の事情を考慮して審判をすることになります。


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🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士にお問い合わせを

面会交流のルールをきちんと決めておかないと、後で子どもを巻き込んだトラブルに発展する可能性があります。

離婚時によく話し合って決めておかないと、離婚後の生活の平穏や、子どもの健全な生育を確保できないことになってしまうのです。

離婚後は小さなトラブルが大きな問題につながってしまうケースがあります。

そうならないためには、双方が十分納得した形で、面会交流をルール化しておくべきなのです。

わからないことや困ったことがありましたら、お気軽にお問合せください。