別居婚とは?メリットとデメリットは?
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。最近「別居婚」が注目されています。結婚しても同居しない夫婦のカタチですが、法的な問題はないのでしょうか?メリットやデメリット、手続きなどについてもまとめてみましたのでご参考にされてください。
目次
🌸別居婚が注目されています
🌸別居婚は法的に問題ないのか?
🌸別居婚のメリットとデメリット
🌸別居婚の手続き
🌸まとめ:夫婦のカタチはそれぞれ。自分に合った生き方を選択しましょう!
🌸別居婚が注目されています
最近「別居婚」が注目されています。
別居婚とは、夫婦が同居しないまま籍を入れることを指します。
結婚すると婚姻届を提出して戸籍を1つにしますが、「別居婚」では一緒には住まずに別々に暮らします。
多いパターンは、同じマンションに2つの部屋を借りたり、近所に住んで週末だけ会ったりするというものです。
芸能人では壇蜜さんが話題ですね。
壇蜜さんは、2019年11月に漫画家の清野とおるさんと結婚しましたが、週の半分くらいを一緒に過ごす「半別居婚」を継続しているそうです。
その理由を「二人とも一人になる時間が必要」と語っておられ、「大好きな人を嫌いになるのは絶対イヤだから」とも仰っています。
このように、それぞれの時間を大切にする夫婦のカタチの一つが「別居婚」であると思います。
🌸別居婚は法的に問題ないのか?
民法752条には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と記載されています。
同居が義務として明記されているのです。
別居婚は問題ないのでしょうか?
実はこの民法の規定は、一方が同居を望んでいるにもかかわらず、他方が一方的に同居を拒絶する場合を想定して作られています。
ですから、夫婦の双方が別居を望んでいれば問題はなく、法律が同居を強制することはありません。
当然、別居婚をしたことで罰則が下されることもないのです。
🌸別居婚のメリットとデメリット
メリットとしては自由で新鮮な関係を継続できることが挙げられます。
同居をしていると、相手の良いところばかりではなく、悪いところ、嫌なところにも目が行きがちです。
しかし別居婚であれば、それぞれの自由な生活がベースとなっていますので、会う時はいつも新鮮な気持ちで良好な関係を継続していくことができるケースが多いようです。
デメリットで最も大きいのは、お金がかかることです。
結婚のメリットの一つは、経済的にもお互いが支えあうことで合理的な生活設計ができ、将来に向けての貯蓄なども可能となるということ。
その意味では別居婚は、それぞれに十分な収入があることが必要なのかも知れません。
もう一つのデメリットは、環境として浮気のリスクが高くなるということ。
同居していれば当然気づくような、相手の行動や気持ちの変化も、別居していれば察することができない場合も多いのでしょう。
🌸別居婚の手続き
別居婚だからといって、特別な手続きは必要ありません。婚姻届けに、夫婦別々の住所を記入して提出するだけです。
住民票は現住所がどこにあるかを証明する書類ですので、婚姻届の提出前後で住む家が変わらない場合は、住民票の手続きは必要ありません。
夫婦別々に住民登録をすることが可能ですし、入籍したからといって住民票の住所が夫や妻のどちらかに勝手にまとめられることはないのです。
ただし入籍後に引越しをして住所が変わる場合には、当然転出届や転入届を出す必要があります。
また、婚姻届けには「同居を始めた時」という欄があります。
通常は「二人が結婚式を挙げたとき」または「同居を始めたとき」のうち、どちらか早い方を記入することになっていますが、同居婚の場合は空欄で提出することとなります。
🌸まとめ:夫婦のカタチはそれぞれ。自分に合った生き方を選択しましょう!
女性の社会進出が進み、夫婦それぞれが、やりがいや生きがいのある仕事や趣味を持っているのが当たり前の時代になってきました。
そのような中で、夫婦のカタチも徐々に変わってきているのだと思います。
どうしたら二人にとって一番良い生き方なのかを模索する中で、別居婚がじんわりと広がっているのではないでしょうか?
同居することだけに縛られずに、様々な選択肢を考えてみるのも、時代をしなやかに生き抜く知恵なのかも知れません。