エア離婚とは?仮面夫婦との違いは?
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。最近ネット上などで「エア離婚」という言葉が話題になっています。一体どういう意味なのでしょうか?まとめてみました。
目次
🌸エア離婚とは?
🌸エア離婚を選んだ背景
🌸エア離婚について思うこと。仮面夫婦との違いは?
🌸エア離婚が関係改善につながることも!
🌸まとめ:離婚問題で迷ったり困ったりしたら弁護士に相談を
🌸エア離婚とは?
「エア離婚」は元TBSアナウンサーで、タレント、エッセイスト、ラジオパーソナリティの小島慶子さんが作った造語です。
ギターを持たずにパフォーマンスをする「エアギター」から着想し名付けたそうです。
小島さんは6年前から、家族の生活拠点をオーストラリアのパースに置いて、自らは東京と往復しながら仕事をしてきました。
二人の息子さんがおられますが、夫とは中学三年生の次男が大学を卒業する2024年に離婚をすることで合意しており、期間限定での結婚生活をしています。
現在はコロナ禍により行き来が難しくなり、2020年12月時点では、東京にいる小島さんは10か月もの間、家族に会うことが出来ず、ビデオ通話でのやりとりだけのようです。
生活費を稼ぐのは小島さん、家族の面倒をみるのは夫と、しっかり役割分担をして家族の生活を形成しているとのこと。
しかし、何故小島さんはエア離婚というレアな形を選択されたのでしょうか?
🌸エア離婚を選んだ背景
その問題により小島さんはとても苦しみ、健康を害し、さらに不安障害を発症し、不安定な精神のまま、仕事と子育てに神経をすり減らしながら必死に生きて来られたのです。
そして二人の息子さんを交えて家族会議を開き、ことの顛末をきちんと説明し、このまま夫婦としてはやっていけないという自分の気持ちを正直に話したそうのだです。
しかし子供たちは「このままが良い」と、小島さんの考えに同意しなかったため、悩んだ挙句この期間限定の結婚生活=エア離婚を選ぶこととなったのです。
🌸エア離婚について思うこと。仮面夫婦との違いは?
エア離婚と聞くとなんだかレアな話に聞こえますが、同様の状況はよくあります。
お互いに、今後長きにわたっては夫婦生活を続けて行けないことはわかっているのに、離婚できずにお互いに我慢して夫婦生活を続けているケースです。
仮面夫婦などとも言われています。
主として経済的な理由や、子どもの問題が多いのではないでしょうか。
その意味では小島さんのエア離婚はどこにでもある話のようにも見えます。
しかし決定的に違うことがあります。
それは期間を決めて、既に離婚に双方が合意していることです。
小島さんのケースでは、夫は離婚の原因を作った側であり、離婚を望んではいません。
しかし小島さんの意思が固いことを理解して、渋々合意した印象です。
🌸エア離婚が関係改善につながることも!
はっきりと合意したはずの「エア離婚」でしたが、小島さんの心境に変化が生まれているようです。
コロナ禍で会えない日々が続く中、小島さんは今も家族や夫婦の在り方を考え続けているそうです。
夫のことを考えることが増え、もう一度夫婦関係をリセットすべきか、予定通り離婚すべきか、心は揺れ動いていると言います。
そうです。
一度離婚すると決めて、期間限定で双方が納得して、支え合って生活しているからこそ、見えてくるものがあったのだと思います。
例えば、仮面夫婦と言われるような関係性であった場合、最後の決心をする「お試し期間」としてこのような「いついつ離婚する」という取決めをすることは、意義あることではないかと感じます。
失うことが確定することで、お互いがお互いを見つめ合い、関係の修復につながるケースもあるのでしょう。
🌸まとめ:離婚問題で迷ったり困ったりしたら弁護士に相談を
エア離婚という言葉は、響きも軽く斬新です。
暗さがないのも良いですね。
いつか「ちょっと最後にエア離婚してみようか?」などと、さらっと言えるような時代が来るのかも知れません。
小島さんのこの言葉やお考えには、肯定派、否定派の様々なご意見があるようですが、難しい夫婦関係に悩んでいる方にとっては、一つの参考になるのではないかと思います。
※参考元:婦人公論JP『小島慶子〈エア離婚〉を選んで2年「夫婦リセットか、続行か。いま心は揺れて」』