離婚したくない!離婚を切り出されても離婚しない方法
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。突然配偶者から離婚を切り出され混乱し、どうしていいかわからない!実はこのようなケースは珍しくありません。離婚したくない場合は一体どう対処したら良いのでしょう?まとめてみましたのでご参考にされてください。
目次
🌸離婚したくない理由は?
🌸相手からの離婚の要求は断れないのか?
🌸離婚したくない場合の対処法
🌸やり直せるかどうかを判断するポイント
🌸最後にすべきこと
🌸まとめ:困った時には専門家に相談を
🌸離婚したくない理由は?
ある日突然配偶者から離婚を切り出され混乱し、どうして良いかわからず慌ててご相談に来られるようなケースは、実は珍しくありません。
ご自身では寝耳に水で考えてもみなかったという方や、円満で仲良くやっているとばかり思っていた方など、相手の気持ちに全く気づいていなかった方も多くいらっしゃいます。
さて、離婚をしたくないと思っている場合には、まずご自身の気持ちと向き合う必要があります。
何故離婚したくないのか?ということです。
これをご自身でしっかり整理することで、解決のきっかけとなる場合もありますので、しっかり考えてみましょう。
1.まだ愛情がある
相手は離婚を考えていても、あなたにはまだ愛情があるというのはよくあることです。
夫婦には思い出や歴史があります。
これまでずっと二人で時間を重ね、人生の荒波を乗り越えて来たのです。
簡単にすべてを消し去ることはできないと考えるのは当然のことと思います。
2.子どもがいる
あなたも相手への愛情はさほど感じなくなっていたとしても、子どもがいる場合は離婚を避けたいと願うのは当たり前のことです。
特に子どもへの愛情を双方がしっかり感じているならば、夫婦間の問題は何とか我慢して、子どもの成長を第一に考えるべきと思うものです。
離婚すればどちらかが親権を取ります。
親権を取れなければ子どもと別れて暮らすこととなり、会うことも制限されるのです。
ほとんどの場合は親権者は母親となるでしょう。
特に妻から夫が離婚を切り出された場合は、夫は子供を失う(同居できなくなる)ことを覚悟しなくてはなりません。
妻への愛情は醒めていても、子どもと別れたくないという理由で、離婚を避けたいと思う夫は多いのだと思います。
3.経済的に困窮する
女性の方に多いのが経済的な不安です。
離婚して財産分与を受けたり、離婚原因によっては慰謝料をもらったとしても、その後の生活が安定するほどの金額となることは稀です。
子どもがいる場合は養育費の支払いを受けられますが、額も十分なものとは言えず、不払いのリスクも抱えることとなります。
当然仕事を探すこととなりますが、年齢などの状況によっては希望する職種や待遇を得られない可能性もあり、不安が募り離婚を躊躇する方も多くいらっしゃいます。
🌸相手からの離婚の要求は断れないのか?
相手から離婚して欲しいと言われた場合、断ることはできないのでしょうか?
もしこちら側に法定離婚事由に該当するような事実がある場合は、裁判になれば離婚は避けることができません。
「法定離婚事由」とは、民法770条1項に定められている離婚の理由のことであり概要は以下です。
①不貞行為があったとき
※配偶者以外の異性と性交渉を行った場合
②悪意を持って結婚生活を放棄したとき
※勝手に家出をしたり、相手を家から追い出したり、生活費を家計に入れないなど
③3年以上生死不明の状態にあるとき
④重い精神病にかかったとき
⑤その他、婚姻生活を継続しがたい重大な理由があるとき
※DV(ドメスティックバイオレンス=家庭内暴力)、モラハラ(モラルハラスメント=言葉の暴力)などにより夫婦関係が破綻していると認められた場合など
以上に該当しなければ、離婚を断ることが出来ます。
しかし、相手が家を出て別居を始めてしまった場合は、一定の期間が経過すると⑤の「婚姻生活を継続しがたい重大な理由」に認定されてしまう可能性があることを念頭に置かなくてはなりません。
🌸離婚したくない場合の対処法
1.離婚届不受理申出
まず、相手方が勝手に離婚届を出したとしても受理をしないでもらうための申出「離婚届不受理申出」を市区町村役場に提出しておきましょう。
物理的な部分を押さえておくと、気持ちも落ち着きます。
2.相手方が離婚したいと思っている本当の理由を確認しましょう
最も重量なのは、相手が離婚したい本当の理由を確認することです。
「本当の理由」と申し上げたのは、相手が正直に言わないケースもままあるからです。
例えば、「性格が合わない」「うまくやっていけない」というような曖昧な理由を相手が言っていても、実は交際相手がいたりすることもないとは言えません。
一方「家事や育児に理解がない」というようなことが原因であるならば、あなたが心を入替えて行動で示すことで、相手が踏みとどまってくれる場合もあるでしょう。
ですから、なるべく詳細に、そして冷静に相手の気持ちを聞き出し、具体的な解決策があるのかどうかを判断する必要があるのです。
一番気を付けるべきは感情的にならないことです。
怒鳴ったり恫喝したりするのは、解決どころか、逆に録音されたりすれば法廷離婚事由を作ることにもなりかねません。
じっくり時間をかけて聞き役に徹し話し合うことが大事です。
🌸やり直せるかどうかを判断するポイント
やり直せるかどうかは今の状態がどうなっているかにより大きく変わります。
判断のポイントについて記載してみます。
1.相手に交際相手がいるかどうか
もし相手に交際相手がいる場合は修復は困難です。
そうでない場合は、真摯に相手の話を聞き、改善策を考えて行くことでもう一度やり直すこともできる可能性があります。
2.二人に子どもへの深い愛情があるか?
相手への相性は醒めていたとしても、子どもへの深い愛情をお互いが有している場合は、改善しやり直せる可能性があります。
子どものためを思い、我慢して生活しているうちに、自然に関係が修復できていく場合もあるものです。
3.DV、モラハラなどがないか?
こちら側にこれらの行為がある場合は修復は難しいです。
特に具体的証拠を握られている場合は、相手が調停や裁判まで視野に入れている可能性があり、離婚意思がはっきりしているのだと思います。
4.同居を続けることができるか?
前述の通り別居は離婚のスタートとなる場合が多いです。
別居が冷却期間となり関係が改善するケースもありますが、リスクの方が大きいので、極力別居は避けるべきでしょう。
一緒に暮らしながら自らの行動を変えることで、相手に静かに訴えかけて関係修復のきっかけとすべきだと思います。
🌸最後にすべきこと
手紙を書くことをお薦めします。
話し合いの中ではつい感情的になり、相手の主張に反論してしまったり、言い方がキツくなったり、不機嫌そうにしてしまったりすることがあるものです。
反省の弁を言いたくても、プライドやご自身の性格が邪魔して上手く伝えられない方もいらっしゃいます。
文章で自分の素直な思いを伝えることは、時として会話に優る効果を生むことがあります。
手紙を書く上でのポイントは、相手に反論するのではなく、自分の本当の気持ちをなるべく素直に表現することです。
心を込めて書いた手紙がきっかけで、徐々に関係を修復された方もいらっしゃいます。
一方、手紙の内容が相手の気持ちを逆なでしてしまい、亀裂が決定的になってしまったケースもありますので、決して相手を責めることなく自分の気持ちだけを書くようにしてください。
🌸まとめ:困った時には専門家に相談を
突然離婚を切り出されたた場合、どのように対処したらいいのかわからず混乱する方も多くいらっしゃいます。
また、相手が子どもを連れて家を出て行ってしまったようなケースでは、すぐに法的な対応が必要な場合もあります。
https://chienowanishinomiya.blogspot.com/2020/10/blog-post.html
それぞれの状況により対応が大きく変わりますので、困った時には弁護士などの専門家に相談されることをお薦めいたします。
当事務所でも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。