離婚すべきかどうか迷った時はどうすればいい?
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚することを考えた時、一体どうしていいのかわからず途方に暮れることがあります。また、離婚すべきか、このまま我慢すべきか迷うケースもあります。そんな時に頭の中を整理する手順をまとめてみましたので、ご参考にされてください。
🌸目次
🌸原因は改善できるのか?
🌸相手に応じてもらえるか?
🌸離婚後の生活設計
🌸まとめ:迷った時は専門家に相談しましょう
🌸原因は改善できるのか?
離婚すべきかどうか迷った時にまず考えるべきは、離婚を考えるに至った原因を改善できるのだろうか?ということです。離婚の原因を大別すると以下の7つに分類されます。
1. モラハラ(精神的虐待)
2. DV(家庭内暴力)
3. 異性関係・浮気
4. 金銭問題
5. 家族・親族問題
6. 性的不一致
7. 性格の不一致
このうち、モラハラ(精神的虐待)、DV(家庭内暴力)の2つの理由が原因であるなら、早急に離婚すべきと考えられます。
何故ならこの二つは改善が非常に難しいからです。
モラハラもDVも加害者の気質の問題であり、ほとんどが何度も何度も繰り返され、終わることはまずありません。
また、性的不一致もその後の改善が難しい項目であり、迷っているなら離婚を進めるべきでしょう。
その他の項目(異性関係・浮気、金銭問題、家族・親族問題、性格の不一致)については、しっかりと話し合い約束を交わすことで再発が防止できるケースもあるため、自分を見つめ直して、じっくり考えてから結論を出す必要があります。
いずれにせよ、「改善が可能なのか?」という観点でまずは整理してみてください。
🌸相手に応じてもらえるか?
離婚すると結論を出した場合でも、相手が応じるのかというのも大きな問題です。法律では離婚ができる事由について、以下の通り決められています。
第770条
1 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1号 配偶者に不貞な行為があったとき。
2号 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3号 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4号 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5号 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
1号の不貞な行為は所謂「浮気・不倫」であり、性的な関係のあったことが条件となります。
2号の「悪意で遺棄された」というのは、夫婦間における相互扶助義務を正当な理由がないのに果たしていなかったケースです。
生活費を支払わない、合意なく別居する、などのケースが該当します。
5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」というのは、1号~4号に該当しない場合でも、配偶者が夫婦関係の修復が難しくなるほどの行動をしていたというケースを指します。
離婚が認められる可能性が高いのは、モラハラ、DV、セックスレスなどの性の不一致、アルコール中毒、ギャンブルや浪費などです。
これらの理由で離婚を考える場合は、離婚調停や訴訟となっても認められる可能性が高いのですが、これらによらない理由(性格の不一致など)の場合には相手の合意が必要となります。
そのため、配偶者との関係性や、これまでのやりとりなどを総合的に考えて、合意に至るのかを見通す必要があります。
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🌸離婚後の生活設計
上の二つの項目をクリアし、離婚に進む場合は離婚後の具体的な生活設計を考えてみましょう。
1.貯金や資産など
離婚した際は、婚姻中の夫婦の財産(共有財産)を公平に分けることになります。
これを財産分与と言いますが、対象は現金、預金だけではなく、不動産や住宅ローンなども含まれます。
ですので、離婚した場合自分が得られる財産がどのくらいとなるのかは把握しておく必要があります。
2.住む場所
一旦実家に帰るなどの方法があるのでしたら金銭的な問題はないのですが、部屋を借りるなどの手続きが必要な場合は、具体的に考えておかなくてはなりません。
お子さんがいらっしゃるのなら、学校や保育園などの問題もあります。
部屋を借りる場合は保証人の問題も発生しますので、慌てずに一つ一つクリアして行きましょう。
3.収入の道
しばらく貯金を切り崩すことで生活ができる場合は新拠点に移ってからでも良いのですが、余裕がない場合は事前に職探しも始める必要があります。
離婚後の生活がしっかり回せるように、まずは支出の概算を計算してみましょう。
そしてその支出に見合う仕事を探さなくてはなりませんので、アルバイト、パートなのか、正社員なのかを決める必要があります。
シングルマザーになる場合には、支給される手当があります。
その額も確認した上で収入計画を立てましょう。
こちらの記事をご確認ください。
離婚準備について!シングルマザーに支給される手当は?西宮神戸尼崎の弁護士ブログ
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4.家を出るタイミング
これらの計画を立てたら家を出るタイミングを考えましょう。
配偶者と話し合い円満に解決してから家を出るのは理想的ですが、実際問題は難しい場合も多いです。
家を出てから離婚の交渉、協議が始まるケースが大半ですので、詳しくはこちらの記事でご確認ください。
スムーズに離婚する方法!まず家を出るタイミング/西宮神戸尼崎の弁護士ブログ
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🌸まとめ:迷った時は専門家に相談しましょう
ここまで述べて来たように、離婚すべきかどうか迷った場合は、まず一つ一つの項目を具体的に考えることで、自分の気持ちを整理する必要があります。
DVやモラハラのような決定的な理由がある場合は躊躇せず家を出ることを考えるべきですが、原因に改善の見込みがある場合や、「性格の不一致」という言葉に代表されるようにはっきりとした理由がない場合は、経済的な側面を考えて時期を待つ方が得策と言えるケースもあります。
迷いが消えない場合は、思い切って弁護士など専門家に相談してみることがおススメです。
専門家は日常的に多数の離婚問題を取り扱っており、様々なアドバイスが可能です。
自分のもやもやした頭の中を整理するためにも、一度は「離婚相談」を受けてみましょう。
当事務所でも無料相談をお受けしておりますので、まずはお気軽にご連絡されてみてください。