離婚問題で弁護士に依頼するタイミングは?|西宮尼崎芦屋の弁護士ブログ


離婚問題で弁護士に依頼するタイミングは?


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚問題は弁護士に依頼した方が良いのでしょうか?また、どんなタイミングで依頼するのが効果的でしょうか?まとめてみましたので、ご参考にされてください。



目次

🌸離婚の種類とは?

🌸弁護士に依頼するタイミングは?

🌸離婚協議の前

🌸離婚協議の最中

🌸離婚調停の前

🌸調停で不利だと感じた時

🌸離婚訴訟の前

🌸まとめ:迷ったり困ったりしたらまず専門家に相談しましょう。


🌸離婚の種類とは?


離婚には主として、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つの種類があります。

日本では「協議離婚」が最も多く、全体の90%を占めています。

協議離婚とは、夫婦が話し合いで合意することで成立する離婚です。

最も簡易で、市区町村の役場に離婚届を提出し受理された時点で離婚が成立することとなります。

離婚原因も特別な手続きや費用も必要なく、離婚届が受理さえすればそのまま簡単に成立します。

しかし、夫婦間で離婚協議が進まない場合は、家庭裁判所に離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てて離婚を求めることになります。

「調停離婚」は全体の8~9%となっています。

日本においては、離婚訴訟を考えている場合でも、必ずその前に離婚調停で話し合いをしなければならない決まりとなっています(調停前置主義)。

離婚調停は、調停委員を交えて離婚の話し合いをします。

離婚調停の手続きは、一般的には調停委員が当事者を別々に個室に呼び出し、夫々個別に言い分や気持ちを聞いて進行させていきます。

基本的にお互いに顔を合わせる必要はなく、第三者を交えて離婚の話し合いを進めていくので、夫婦二人の離婚協議に比べて、冷静に条件面も含め離婚の話が進むケースが多いです。

調停の結果、夫婦の間で離婚の合意ができれば、家庭裁判所が調停調書を作成し、離婚が成立することとなります。

しかし調停は不調となることもあります。

その場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起し、離婚を求める手続きを取ります。

それが「裁判離婚」です。


「裁判離婚」は全体のわずか1%程度です。

離婚訴訟において離婚が認められるためには、民法で定められた離婚原因が必要になり、原告は離婚原因があることを主張・立証しなければなりません。

法定の離婚原因は次の5つです(民法770条1項)。

裁判で離婚するときは次の5つの理由のいずれかに該当しなければ離婚はできません。

①不貞行為があったとき
※相手方配偶者があなた以外の異性と性交渉を行った場合

②悪意を持って結婚生活を放棄したとき
※配偶者が勝手に家出をしたり、相手を家から追い出したり、生活費を家計に入れないなど

③3年以上生死不明の状態にあるとき

④重い精神病にかかったとき

⑤その他、婚姻生活を継続しがたい重大な理由があるとき
※DV、モラハラや別居により夫婦関係が破綻していると認められた場合など



🌸弁護士に依頼するタイミングは?


弁護士に依頼するタイミングとして考えられるのが次の5つです。

1.離婚協議の前

2.離婚協議の最中

3.離婚調停の前

4.調停で不利だと感じた時

5.離婚訴訟の前

どのタイミングで弁護士に依頼するのが良いのでしょうか?

弁護士への依頼のタイミングは、個々の事情や相手との交渉状況によっても大きく変わってきます。

一つ一つについて解説して行きますので、ご参考にされてください。


🌸離婚協議の前



離婚問題には様々な争点があります。

子どもの親権者、面会交流、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割など、現在の状況の中で整理しなくてはならない問題は多岐に渡ることが多いものです。

例えば、子どもの問題がなく、慰謝料も、財産分与も発生しないような状況であればいいのですが、多数の争点があるようなケースでは、有利に話し合いを進めるためにも一旦弁護士にアドバイスを求め、どのようなゴールを設定して離婚協議に臨むのかを決めておくことが重要なポイントです。

離婚協議に入る前に、頭を整理し冷静に話し合いを進めるためにも、弁護士に正式に依頼するかどうかは別として、一度はアドバイスを受けておくことが賢明だと思います。

例えば、浮気などが離婚の原因の場合は、不貞に関する証拠を離婚の話を切り出す前に集めておいた方が良いですし、財産についても事前に調べておくべきです。

そうしないと、証拠隠し、財産隠しなどが行われるリスクがあるからです。

また、話し合いがスタートしてからも、争点について「こういう判例があるそうだ」などと主張することにより、有利に展開できるケースもあります。


🌸離婚協議の最中


話し合いを進めて行く中で、上手くいかないと感じた時に弁護士に依頼するケースは多くあります。

既に争点が明確になっていますので、具体的で明確なアドバイスが受けられますし、埒が明かないような際には、正式に弁護士に委任して代理人として交渉してもらった方が早期に解決できるケースもあります。

結論が出ない交渉を延々と続けて行かなくてはならない強いストレスからも解放されます。

弁護士に委任すると、相手も弁護士を立てるケースもありますので、感情的ではない条件面での協議を淡々と進めることも可能となります。



🌸離婚調停の前


離婚調停は自分でも申し立てることが可能ですが、親権などのはっきりした争点がある場合は弁護士に依頼すべきです。

離婚調停を最初から有利に進めるためには、自分の主張を的確にまとめ、これを裏付ける証拠を準備するなどの、明確な戦略が必要だからです。

弁護士に依頼して調停の準備をしてもらい、調停期日にも同行してもらったほうが良いでしょう。


🌸調停で不利だと感じた時


ご自身で離婚調停を進めて行く中で、自分の言い分が全く通らないなど、雰囲気が悪いと感じることがあった場合は、弁護士に相談してみるべきでしょう。

しかし、調停で一旦相手方が有利になるの流れを作られてしまうと、途中から弁護士が受任しても巻き返しが難しいことも多くあります。

なるべく早いタイミングでに弁護士に依頼することを検討すべきです。


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🌸離婚訴訟の前


裁判も本人一人で行うことも可能ですが、書面の作成や裁判官、相手方弁護士に相対することは非常に難しいものです。

現実問題として離婚訴訟になる場合には、弁護士に委任することをお薦めいたします。

🌸まとめ:迷ったり困ったりしたらまず専門家に相談しましょう。


調停離婚、裁判離婚に関しては弁護士への委任が望ましいと思います。

法律の専門家の中で、一人で対応するのはとても大変なことですし、不利な条件を押し付けられるリスクもあります。

最も多い協議離婚の場合は、夫婦間の話し合いで合意に向かいますので、ご自身での解決も十分可能です。

しかし、離婚が成立しても後々にトラブルが発生しては何もなりません。

それを防止するためには、公正証書などしっかりした書面対応が求められます。

人生をリセットして明るい未来に進むためにも、まず一度は弁護士などの専門家に意見を求めてはいかがでしょうか?