不倫した側から離婚請求できるか?
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚問題の中で、原因が不倫によるものであるケースはとても多いです。不倫した側の配偶者が離婚を望んでいる場合は離婚請求はできるのでしょうか?またこのような事案で、離婚を成立させるために考えておくべきポイントとは?まとめてみましたのでご参考にされてください。
目次
🌸不倫した側からの離婚請求はできるか?
🌸どのようなケースなら認められるのか?
🌸不倫した側が留意すべきこと
🌸不倫された側が留意すべきこと
🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士に相談を
🌸不倫した側からの離婚請求はできるか?
不倫をしてしまった配偶者のことを「有責配偶者」といいます。例えばこのような有責配偶者が、もう一方の配偶者との離婚を望んでいた場合、法的な離婚請求はできるのでしょうか?
勿論離婚請求をすること自体は可能です。
しかし裁判離婚においては、不倫やDVなどの離婚原因を作った有責配偶者からの離婚請求しても、一定の条件を満たさない限り認められることはありません。
有責配偶者が婚姻関係を破綻させた原因を作ったわけですから、そのようなことが簡単に認められてしまうのはあまりに一方的で、相手方が可哀想だから、という考え方なのです。
不倫が原因で夫婦関係が破綻した場合、有責配偶者は不倫相手との再婚を望むケースもあります。
そんな場合、相手の配偶者は意地になり、絶対に離婚を容認しないことも多いものです。
それではどんな条件を満たせば離婚が認められるのでしょうか?
🌸どのようなケースなら認められるのか?
まず、有責配偶者からの離婚請求が認められないというのは裁判離婚の場合ですので、協議離婚や調停離婚であれば、合意さえすれば離婚は成立します。また裁判離婚の場合も、以下の3つの条件を満たせば、有責配偶者からの離婚請求が認められるケースがあります。
1.別居期間が相当長い状態となっている
2.未成熟の子どもがいない
3.相手方が、離婚によって精神的、社会的、経済的に過酷な状態に置かれていない
1の別居期間についてですが、これは一概に何年なら離婚が認められるとは申し上げられません。
夫婦の年齢や、それまでの同居期間などの状況によって大きく左右されるのです。
※一説によれば7年以上の別居期間を要すとも言われています。
それでも時間さえ経過すれば、裁判で離婚が認められる場合が多いのは事実であり、それを見越して別居を始める方も多くいらっしゃいます。
🌸不倫した側が留意すべきこと
既に不倫の証拠を相手方に入手されている場合は、離婚を成立させるべく訴訟に持ち込んだとしても勝てる確率は低いため、協議離婚、調停離婚を視野に交渉を開始するのが賢明です。
そしてその交渉の過程の中で、一定の慰謝料を提示することで相手方に納得してもらえるよう組み立てを行うのが現実的と言えます。
慰謝料の金額は、現在の状況(お互いの収入・財産や、どの程度の証拠を握られているかなど)によって変わってきますので、一度弁護士などの専門家に相談してアドバイスを求めることをお薦めします。
🌸不倫された側が留意すべきこと
相手である有責配偶者が早期の離婚を望んでいる場合、もしこちらが具体的な不倫の証拠を持っていなければ、裁判を起こされ離婚が成立してしまう可能性もあります。ですから、まずは不倫の証拠を集めておくべきです。
そして、仮に訴訟となり勝訴して離婚が認められなかった場合でも、別居がスタートし一定の年数が経過すれば、いずれは離婚が成立することが考えられるため、自身がこの先どうして行きたいのかをじっくり考えて判断する必要があります。
例えば、相手と離婚はせずに関係を修復したいのか、いずれは離婚しても構わないが気持ちが治まらないためともかく長く引き伸ばしたいのか、というようなことです。
もし、全く相手に愛情が持てないのであれば、慰謝料を高額とする交渉を始めて、次の人生に備えるのも考え方の一つと思います。
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🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士に相談を
例え有責配偶者であっても、離婚請求をして認められる場合もあります。
同じような事案に見えても、証拠の有無や軽重など、置かれた状況によって異なっており、初動を間違えると結果が逆転したりすることもあるのが実態です。
ですので、まずは離婚問題に精通した弁護士などの専門家に相談しアドバイスを求め、ゴールの見通しを確認した上で交渉をスタートさせるのが賢明です。
当事務所でもご相談を承っておりますので、迷ったり困ったりした場合はお気軽にご連絡ください。