養育費とは?相場はどれくらい?|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ

 

養育費とは?相場はどれくらい?


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚して未成年の子どもがいる場合、親権者(監護親)は相手に対し養育費を請求できます。今回は養育費の考え方や金額、注意点についてまとめてみました。ご参考になれば幸いです。



目次

🌸養育費とは

🌸養育費の額は?

🌸具体的にはいくらくらいなのか?

🌸支払い期間は?

🌸相手が養育費を支払わない場合

🌸まとめ:養育費でわからないことがあれば弁護士など専門家にご相談を


🌸養育費とは


離婚して未成年の子どもがいる場合、子どもを監護する親(監護親)は、子どもを監護していない親(非監護親)に対し、子どもの養育のための費用を請求することができます。

これを「養育費」と呼びます。

養育費の支払義務は「生活保持義務」と言われています。

これは、自分の生活を保持するのと同程度の生活を、扶養を受ける者にも保持させる義務のことを指します。

つまり養育費は、非監護親が暮らしている水準と同程度の水準を保てるように支払っていくべきであるという考え方です。

一般的に、離婚時には養育費の額を取り決めます。

しかし何らかの事情で早急に離婚手続きが必要と判断された場合などでは、養育費を取り決めていないケースもあります。

そんな場合でも相手に対して養育費を請求できる権利はあります。

養育費は子どもが親に対して、親の扶養義務に基づいて請求するものであり、あくまで子どもの権利です。

実際には両親が離婚するにあたり、子どもの面倒をみることになった親が、その子どもに代わって他方の親に請求するという形を取るのです。



🌸養育費の額は?


協議離婚の場合、養育費の額は双方の話し合いで決定されるため、合意さえできればいくらであっても構いません。

一般的な考え方としては、双方の収入に応じて決めることとなっており、家庭裁判所が作成した「養育費算定表」をベースとして、それに個々の事情を考慮して合意することになります。

また、子どもの大学受験などの教育費や、病気治療の費用などがかかる場合は別途協議すると約するの普通ですし、一度養育費を決めてしまっても、事情が変わった場合は増額や減額を請求することが可能です。



🌸具体的にはいくらくらいなのか?


例えば、「0~14歳の子どもがひとり・妻の年収が約200万円(会社勤務)・夫の年収が約600万円(会社勤務)」で妻が子どもを引き取ったようなケースでは、通常は養育費は月4~6万円程度が目安となります。

また、「子どもが15~19歳」の場合なら、月6~8万円程度となります。

この金額の差は、子供の年齢が進むと教育にお金がかかるためです。

養育費は双方の年収や、子どもの教育にどの程度お金がかかるかなどの要因によって大きく変わります。

また、離婚原因が相手の浮気などの理由であったとしても、養育費は双方が負担するのが原則であり、どんな理由で離婚に至ったとしても、養育費を一方的に相手に負担させることはできません。


🌸支払い期間は?

養育費の支払いは、通常子どもが自活するまでの期間ですので、成人する20歳までか、大学卒業の22歳までとする場合がほとんどです。

また、例えば養育費について合意をしないで離婚したケースでは、養育費の請求は調停の申し立ての時までしか遡れないのが原則ですので注意が必要です。

 

 

🌸相手が養育費を支払わない場合

養育費を決めたとしても、離婚後に支払いが滞ったり、支払いを拒否されたりするケースがよく発生しています。

ひとり親の家庭では4人に3人が養育費を受け取っていないというデータもあるのです。

もし離婚協議書を公正証書としており強制執行認諾文言が記載されていれば、給料差押等の強制執行が可能です。

一方、公正証書としていない場合は、新たに調停や裁判を起こさないと強制的に回収することはできず、時間の経過により請求権が時効消滅してしまう事態も考えられます。

現実問題としては、公正証書としていなかったために泣き寝入りするようなケースも起きていますので、協議離婚で養育費が発生する場合は、極力公正証書を作成するようにしましょう


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🌸まとめ:養育費でわからないことがあれば弁護士など専門家にご相談を

養育費の額はそれぞれの収入などの状況により異なります。

具体的にどの程度の額が妥当なのかなど、わからないことがありましたら弁護士などの専門家にご相談ください。

また、養育費を決めずに離婚した場合や、離婚後に状況が変わり増額や減額の請求をしたい場合なども、同様に弁護士にご相談いただくのが安心です。

状況によっては調停など具体的な法的手続きが必要な場合もありますので、一人で悩まずにまずは知識と経験がある専門家の意見を聞いてみるのが得策です。

当事務所でもご相談を承っております。