協議離婚のメリットとデメリット|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ

 


協議離婚のメリットとデメリット


兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。協議離婚は費用があまりかからず手続きが簡単なのがメリットですが、関係がこじれている相手とでもきちんと話し合わなければならないことなどデメリットもあります。そこで今回は協議離婚のメリット、デメリットについてまとめてみました。


目次

🌸協議離婚の3つのメリット

🌸協議離婚の3つのデメリット

🌸協議離婚のデメリットを減らす方法

🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士にご相談を



🌸協議離婚の3つのメリット

1.手続きが簡単

協議離婚はいつでもどこでも二人の都合さえ合えば協議=話し合いができます。

最も簡単に離婚しようと思えば、離婚協議書さえ作成せずに口頭で条件を決め、離婚届を作成し提出するだけで離婚は成立するのです。


2.時間がかからない

調停や裁判のような手続きを踏まず当事者間で話し合うだけですので、短時間で解決できるケースもあります。

離婚届を作成するだけの工程なので、極端に言えば数分でも手続きが完了してしまいます。


3.離婚する理由は何でも構わない

裁判で離婚する場合は、法律で定められた理由以外での離婚は認められていません。

性格が合わないとか、一緒にいるのが何となく苦痛だ、などの曖昧な理由では原則として離婚することができないのです。

ちなみに裁判で離婚する時は次の5つの理由のいずれかに該当しなければ離婚はできません。

①不貞行為があったとき

※相手方配偶者があなた以外の異性と性交渉を行った場合


②悪意を持って結婚生活を放棄したとき

※相手方配偶者が勝手に家出をしたり、相手を家から追い出したり、生活費を家計に入れないなど


③3年以上生死不明の状態にあるとき


④重い精神病にかかったとき


⑤その他、婚姻生活を継続しがたい重大な理由があるとき

※DV、モラハラや別居により夫婦関係が破綻していると認められた場合など


協議離婚の場合には理由に縛られませんので、どんなことが原因であろうと合意さえすれば離婚が成立します。



🌸協議離婚の3つのデメリット

手続きが簡単な協議離婚ですが、メリットだけではありません。

以下協議離婚の4つのデメリットについて紹介します。


1.相手が応じない場合は時間がかかる

協議離婚は話し合いにより相手と合意をしなくてはなりません。

しかし相手が話し合いを拒否したり、はぐらかして条件などの内容に踏み込めない場合などは、遅々として進まず離婚できないケースがあります。


2.相手が感情的になるような場合でも辛抱して話し合わなくてはならない

相手が話し合いに応じたとしても、感情的になって怒鳴ったり、激高して暴力的になったりするケースもあります、

また、暴力は振るわれないまでも、モラハラ的な相手であれば罵倒されたり、嫌みを言われたりなどの精神的な苦痛を味わわされることもあるでしょう。

このような相手であれば、冷静に話し合って結論を導くまでには大変な苦労を伴います。


3.話し合いで離婚条件を決めなくてならない

離婚することに合意が得られたとしても、財産分与、養育費、親権、慰謝料など、決定すべきことはたくさんあります。

これらについては、細かくしっかり決めておかないと、離婚後にトラブルとなることがあるため、面倒であっても最後まで粘り強く協議する必要があります。

また、離婚を急ぐあまり相手の言いなりになってしまうと、不利な条件を飲まされて後々後悔するケースもあるでしょう。



🌸協議離婚のデメリットを減らす方法

1.別居してから離婚協議をする

相手が応じず、離婚協議が進まない場合には、はっきり意思表示をするために別居することも選択肢の一つです。

別居することで、相手にこちら意思の強さや事の重要性を認識させ、協議の土俵に上がってもらうのです。

尚、相手が話し合いに応じる姿勢があるのに、こちらがそれを放棄し一方的に家を飛び出してしまうと、「有責配偶者=平和な婚姻関係を壊し法律上の離婚原因を作ったため、相手に対して法的な責任を負う行為をしてしまった側の配偶者」と評価され、裁判などで離婚が認められないことも考えられるので一定の注意が必要です。


2.条件面などは一度弁護士などの専門家に相談してみる

離婚後に後悔しないためにも、条件面の相場感や、離婚協議書の作成方法などは専門家に訊いておくのが有効な手段です。

多数の離婚案件を解決してきた弁護士であれば、的確なアドバイスをもらえる場合が多いものです。

無料相談を行っている事務所も多いので、まずネットなどで近隣の事務所を検索してみるのがお薦めです。

また、離婚協議書は極力公正証書としましょう。

離婚協議書を公証役場に持参して「公正証書」にすれば、金銭債権(養育費や慰謝料などの支払い)に対し訴訟手続きをとることなく強制執行手続きをすることが可能です。

例えば、相手が養育費の支払いを滞らせたような場合も、預金口座や給料の差押えをすることができるのです。

ただし強制執行をするためには「記載内容を守らなかった場合に強制執行をする」という予告分と「強制執行されることに合意します」という合意文を執行認諾文言として協議書に記載しなくてはなりません。

このように離婚協議書の作成においても、必要不可欠な文言がありますので、弁護士など専門家にチェックしてもらうと安心です。

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🌸まとめ:迷ったり困ったりしたら弁護士にご相談を


時間もコストもかけないためには、協議離婚でスムーズに解決したいものです。

しかし相手があることですので、なかなか進まないケースや、こじれてしまい協議離婚自体が困難となってしまうことも多くあります。

上手く話しを進めるためにはどうしたらいいかと悩んでいるような場合は、一度全体を整理するためにも弁護士などの専門家への相談をお薦めしています。

また、話し合いが進んでいる場合でも、不利な条件での合意や、離婚後のトラブルを避けるためにも離婚協議書の文言などについてのアドバイスを求めておく方が安心です。

当事務所でも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。