離婚の慰謝料はどんな場合に請求できる?
金額の相場はどのくらい?
兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚時の慰謝料はどんな場合に請求できるのか?また金額の相場はどのくらいなのか?そんな離婚の慰謝料についてまとめてみましたのでご参考にされてください。
離婚慰謝料とは何か?
離婚慰謝料は、離婚する原因を作り出した配偶者に対して、離婚による精神的苦痛の損害賠償を金銭で求めるものです。
例えば海外の芸能人が離婚したケースなどで莫大な慰謝料が支払われたというようなニュースを聞き、離婚をすれば高額な慰謝料が請求できるのでは?と思っている方がいらっしゃるかも知れませんが、そもそも離婚をすれば必ず貰えるというわけではなく、また離婚慰謝料自体はさほど高額なものではありません。
離婚に関する金銭の額で申し上げれば、財産分与の方が圧倒的に高額ですので、主として財産分与の金額の方を意識すべきと言えます。
それでは、どんな場合に請求できるのか、また、金額の相場はどれくらいなのかなどについてご説明していきます。
どんな場合に離婚慰謝料を請求できるのか?
離婚慰謝料を請求できるのは、相手となる配偶者が離婚の原因を作り出したと言える場合のみです。
一般的に慰謝料が請求できる原因は主として以下の4つとなります。
1.不倫、浮気
2.家庭内暴力(DV、モラハラ)
3.悪意の遺棄(生活費を渡さない・理由のない同居拒否・勤労意欲がない等の事を意味します)
4.相手に責任のあるセックスレス
これらの事由が原因である場合は請求が可能ですので、該当する場合には弁護士などの専門家に助言を求めることも含め、検討してみましょう。
不倫慰謝料の請求相手
配偶者が不倫(不貞行為)をしたことが原因で離婚したようなときは離婚慰謝料を請求できます。
しかし不倫(不貞行為)の時点で既に夫婦関係が破綻していたときには、離婚慰謝料が認められないケースもありますので一定の注意が必要です。
請求相手は、第一は不倫(不貞行為)をした配偶者です。
配偶者は、貞操義務を負っています。
従って、貞操義務を守って婚姻生活の平穏を保持する第一次的な義務を負っているのは相手方は配偶者であり慰謝料を支払う義務が発生します。
一方、不倫(不貞行為)は、配偶者と不倫相手が共同してあなたに精神的苦痛を与えたという行為です。
従って、第二として不倫(不貞行為)の相手に対して請求することも考えられます。
不倫相手は、夫婦関係の存在を知りながら不倫(不貞行為)を行い、そのことで離婚(=夫婦関係を破壊)させたということで損害賠償責任を負います。
このケースでは配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求することもできますが、二重取りすることはできません。
精神的苦痛を金銭に換算することになりますので、両方に請求しても金額が増えるということはありません。
一方、離婚せずにやり直しを考えるようなケースで、不倫相手だけに慰謝料を請求するケースは考えられます。
離婚に伴う慰謝料の相場は?
慰謝料は最高でも500万円程度です。
一般的には原因別に以下の金額が相場となっています。
不倫・浮気
50〜300万円
家庭内暴力(DV・モラハラ)
10~200万円
悪意の放棄
10〜100万円
相手に責任のあるセックスレス
10〜100万円
事案ごとに状況は大きく異なり、原因に対する責任度合い、結婚期間、未成年の子供の有無、相手の資力・社会的地位などが勘案され決定されますので、上述の金額から上下することもあり得ます。
また、実際の場面では300万円~500万円程度の高い水準で請求し、相手方の減額要求を受け50万円~300万円位の金額に落ち着くケースが多いです。
慰謝料の請求は相手との交渉事となりますので、ポイントを押さえて手続きを進める必要があります。
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まとめ:慰謝料請求は弁護士にご相談ください。
離婚慰謝料の額には大きな幅が存在しますが、事案の個別具体的事情を踏まえて適切な交渉や主張立証を行えるか否かによって大きく変わります。
交渉事となりますので、どのような証拠を集めて、それに基づきどのように主張すれば有利に展開できるかにはノウハウが必要です。
慰謝料の算定で損をしない為には、是非弁護士にご相談下さい。
また、慰謝料請求を行う場合には、請求期間について注意が必要です。
※慰謝料の請求は、原則として3年間の経過によって時効によって消滅します(民法724条前段)
弁護士に依頼すると裁判になるのではと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大半の不倫慰謝料問題は裁判にならずに解決できています。
迷ったりわからないことがあればお気軽にご相談ください。