離婚しても姓を変えたくない時は?|西宮神戸尼崎の弁護士ブログ



離婚しても姓を変えたくない時はどうする?
姓を選択する時のポイントは?



兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵です。離婚した場合に、様々な理由から姓を変えない選択をする方もいらっしゃいます。結婚時の姓か旧姓かを選択する場合の注意点などをまとめてみましたのでご参考にされてください。



目次

🌸「婚氏続称届」の提出が必要です

🌸戸籍はどうなるのか?

🌸離婚しても姓を変えないメリットは?

🌸姓を変えないデメリットは?

🌸まとめ:メリット・デメリットを理解した上で決断しましょう



「婚氏続称届」の提出が必要です

夫婦が離婚する場合、姓を変えた側は離婚後に名乗る姓を「旧姓」または「結婚時の姓」のいずれかを選択することが可能です。

ただ、結婚時の姓を名乗る場合、所定の手続きが必要となります。

そこで今回は、離婚後に姓を変えず使用し続ける手続きと、姓を変えないメリット・デメリットについてご紹介して行きます。


離婚後も旧姓には戻らず、結婚中の姓を名乗りたい場合は「婚氏続称届」という書類により手続きが必要となり、離婚してから3か月以内に市区町村役場に提出する必要があります。

この書類は離婚届と同時に提出することができますが、結婚時の姓を名乗ることを別れた配偶者に知られたくない場合には、離婚から3か月以内なら後日改めて提出しても問題はありません。

ただ、一度旧姓に戻すと身分証明書なども旧姓に戻し、婚氏続称届を提出後に改めて姓を変更しなければならなくなるので煩雑です。

出来れば離婚届と一緒に提出する方が良いでしょう。




戸籍はどうなるのか?


離婚する際には旧姓に戻る側が除籍されますので、親を筆頭者とする戸籍に復籍するか、又は自らを筆頭者として新たに戸籍をつくるかのどちらかを選択することになります。

子供がいないケースでは、旧姓に戻る場合はどちらか一方を選べますが、離婚後も姓を変えない場合は、子どもがいなくても新たに戸籍を作ることになります。




離婚しても姓を変えないメリットは?


離婚しても姓を変えないメリットは以下となります。

・各種手続きが楽です
離婚して旧姓に戻した場合、本人確認書類、クレジットカードや銀行口座などの姓の変更手続きが必要ですが、姓を変えなければそのような面倒な手続きがほとんどありません。

・離婚が周囲にわかりにくいです
姓が変わっていないので、離婚しても自分から言わなければ職場の方や知人などに気づかれません。

・子どもが精神的に楽です
親が離婚して子どもの姓が変わることで、子どもが学校などで周囲からあれこれ聞かれて嫌な思いをすることもありますが、姓が変わっていなければ、それまで通りの変わらない学校生活を送ることが出来ます。




姓を変えないデメリットは?

・心機一転できない
姓が変わった方が心機一転できて、新しい人生を始める実感が湧きやすいかもしれません。

・再婚すると旧姓を名乗れなくなる
これは稀なケースですが、一番大きな問題かも知れませんので理解しておく必要があります。

離婚後、再婚相手とうまくいけば問題ありませんが、その再婚相手とも離婚した場合には、もともとの旧姓に戻すことはできません。

原則として、離婚時に選べるのは「ひとつ前の姓」または「結婚中の姓」のいずれかなのです。

独身に戻るから元々の姓に、という選択ができないことになっているのです。


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まとめ:メリット・デメリットを理解した上で決断しましょう


離婚後の姓の選択にはご説明して来たようないくつかのポイントがあります。

これらを理解した上でしっかり選択したいものです。

なお、婚氏続称届を提出したものの、やはり旧姓に戻したいといったケースでは、家庭裁判所に「姓の変更の許可」を申し立て変更の許可を得る必要があります。

「なんとなく変えたいから」などの理由ではなく、社会的な不都合が生じるなどの特段の事情がなければ、姓の変更は認められていません。

そのため、離婚時に姓を決めるときにはしっかり考えてから決断すべきでしょう。